ADL(日常生活動作)を高めるうえで求められるスキル

整形外科の看護師の仕事は、一般的な病院の看護師とは異なってくる。その代表的な部分として、ADL(日常生活動作)を高めるためのサポートがある。実際、怪我や病気のために日常生活を送ることに困難さを抱えることになった患者は、機能回復を目的としたトレーニングに取り組む。それに応じて、看護師も患者をサポートする介助的な役割を果たさなければいけない。

また、ADLに関して専門的な知識を持っていない看護師は、理学療法士や作業療法士、医師などが組み立てたプログラムを患者がこなせるよう、連携を取る必要がある。同時に、患者がどのようなことに悩んでいるのか、何ができなくなっているのかを見抜き、プログラムを組んでいく一翼を担う。

加えて、各療法士とのリハビリテーションのサポートや生活の手助けも看護師の重要な仕事になる。患者が、前向きにトレーニングに取り組んでいくことができるよう体のケアをするのはもちろん、心のケアの方にも配慮しなければならない。

そして、整形外科の領域のケア方法もしっかり学ぶ必要もある。整形外科の場合、薬によって痛みを緩和する以外に、体勢を変えたり、薬を変えたりといったアドバイスをする場面がある。患者が機能回復するうえで必要な情報を見極めて、助言をしていかなければならない。

さらに入院病棟においては、患者が長期入院になりにくい傾向にあるのも整形外科ならではの特徴だ。機能が回復した段階で退院をすることになる。慢性疾患ではなく、患者の出入りが激しいため、情報の引継ぎも頻繁に行わなければならない。よって、こまめな気遣いや連携のスキルが求められるといえるだろう。